使い方が問題であったリレンザとインフルエンザ感染

インフルエンザ治療薬としてノイラミニダーゼ阻害薬という位置づけで世界に初めて登場したのがリレンザでした。その画期的なメカニズムによってインフルエンザの治癒を促進させることができるため、ブロックバスターになると期待されていた薬でしたが、当初はそれほど売れ行きが良くありませんでした。インフルエンザ感染は毎年流行することから定常的な売上が期待でき、開発した起業はリレンザによって恒常的に儲けが得られると考えていたにもかかわらず、肩透かしを食らってしまって困った状況になったのも事実です。リレンザが簡単には広まらなかったのはその使い方が問題でした。日本では薬というと経口薬であり、吸入薬であるリレンザは使い方がわかりにくくて処方しにくいというのが実情としてあったのです。患者としても使い慣れない吸入薬をあえて使いたいとは考えないことが多く、リレンザがあまり注目されないことになってしまったのです。しかし、新型インフルエンザが流行などを経て、後から広まったノイラミニダーゼ阻害薬が有効でないインフルエンザウイルス感染が蔓延すると、リレンザは陽の目を見るようになりました。使い方がわからないなどと言ってはいられないほどにインフルエンザが流行してしまったからであり、それによって世の中に吸入薬であるリレンザが受け入れられるようになったのです。インフルエンザ感染が広まってしまったことによって、その治療薬が受け入れられるようになったというのは皮肉なものでもあります。しかし、そういった動きが生まれたことによってインフルエンザ治療のための選択肢が増えたことになり、今後新たに耐性ウイルスが生じてきても対策が立てやすくなっています。